都筑図書館から未来を描く協働の会(TMEK)発足

 昨年の12月、「都筑図書館から未来を描く協働の会」が発足しました。この会はひらたくいうと都筑図書館の応援団です。区民と図書館が同じテーブルで、協働し、図書館や本の楽しさ、力をひろげ、さらには、地域の文化、まちづくりの推進を視野におきながら、ゆたかな都筑の未来を描いていくことを目的としています。都筑区において区民と図書館との協働のステージが飛躍した画期的なできごとといえましょう。

 参加しているのはつづき図書館ファン倶楽部、つづきっこ読書応援団、つづきアーカイブ倶楽部、つづき交流数ステーションの4団体です。会長は図書館ファン倶楽部の私、都筑図書館長が副会長、事務局は図書館のスタッフです。

 この会が発足する以前の都筑図書館と区民との協働事業は、つづき図書館ファン倶楽部1団体が窓口となって行ってきました。そもそもの元をたどれば2000年3月に都筑区制5周年記念として都筑図書館が行った記念シンポジウムにさかのぼるそうです。そのころは私は緑区民だったので聞きかじりですが。その時図書館からのよびかけに応えて参加した市民有志が準備会を結成し、2003年に正式につづき図書館ファン倶楽部が発足。それ以来都筑図書館とつづき図書館ファン倶楽部は協働の取り組みを継続してきました。「生まれも育ちも協働です」とはつづき図書館ファン倶楽部のキーワードであり、目標でもあります。今回の協働の場に参加する区民の輪をひろげることも図書館からの提案でした。もとよりファンクラブ側に異議のあるべくもなく、約1年にわたる協議と働き掛けを通じ、先に紹介した4団体の参加を得てリニュアルスタートにいたったわけです。

 会の名称はこれまで略して「協働の会」といってきました。これを横文字で表現できないか、と年末年始ずっと考えてきました。結果、ひとつの私案ができました。都筑図書館のT、未来のM、描くのE、協働のK、続けるとTMEK(ティーメック)。協働のキモは協力(K)と提案(T)、お金は無いけど活力(E=エネルギー)でムーブメント(M)をがんばる。

 まず「提案」。こんな図書館になってほしい、図書館はこういうサービスができないか、といった区民、利用者からの提案はむろんのこと、図書館側からも市民にこういう企画はどうか、こういうことに協力してほしいといった提案は当然あっていい。市民は言う側、行政は受ける側といった一方通行ではなく同じテーブルで議論する、そして「協力」してことにあたる、これが協働のキモであると思います。もちろん行政には独自の権限があり、市民にはる行政的権限はないけど民間力がある。それぞれを尊重しあいながら、同じテーブルで議論し、行動することが重要だと思うわけです。

 図書館法では市民参加の機関として図書館協議会が規程されています。しかし横浜市には図書館協議会はありません。図書館ファン倶楽部ではきちんと図書館協議会を置くべきだと折にふれ主張し、働きかけもしてきました。しかし現状では残念ながらその声は市政に反映されていません。TMEKは行政的にはなんの権限を持っていません。都筑区ローカルの区民参加のひとつの場にすぎません。現在ほかの区でも、お話会や図書修理などのボランティア活動が有志、あるいは、友の会によって行われているところはあります。が、都筑のような形で協働のとりくみは行われていません。都筑の取り組みは横浜市の図書館行政からみればごく小さなとりくみですが、私たちはこの会を大切にしたいと思います。そして声をかけていただき、受け入れてくださる都筑図書館を応援していきたいと思います。TMEKの活動がひろく都筑、横浜全市にひろがり、横浜の図書館が充実していくことを願っています。